成長期の指導~大人のプレーヤーと同じ指導をしてはいけない

タマペディア

今回は子供が成長期のお父さん(指導者)に向けてケガに関連したお話をしたいと思います。もちろん選手自身もためになる話ですので読んでいただきたいです。

近代のスポーツでは「指導」というものが見直されています。指導者という立場のほとんどが現役を引退していると思います。

そこで注意しなければいけないのが、「現代に合った指導」です。指導者は自分が現役時の練習や環境、考え方を今でも正しいと思っている人が多いと思います。

現役を引退して年齢を重ねるほど、昔の自分の時代とはかけ離れていきます。

そこで大事なのは、引き継いでいくことと、変わらなければならないことをしっかりと把握することです。

スポーツは日々進化しています。努力や成長するのは選手たちだけではありません。むしろ指導者の方が成長していかなければ選手は育ちません。

自分の経験を生かしながら日々アップデートしていくことが必須となります。

子どもと大人の体は違う

スポーツにおいて子どもと大人の違いは「成長期」であるかどうか。成長期の子供たちは身長も違えば、体の強さも違う。心臓などの臓器の発達も違い、体力面でもまだまだ弱く子供によって差が出ます。

ポイントは成長期の子供はいつどう体の変化をするのかわからないことです。

私自身も中学3年間だけで20cm身長が伸びました。体の強さや臓器の発達もまだまだこれから成長していきます。

子どもたちはシンスプリントやオスグットといった成長期特有の痛みに悩まされることも多くあります。

「痛いときは休む」が鉄則です。決して無理はしないでほしいです。

身長が伸びるということは、骨が軟らかい部分がある時期であり、強い負荷がかかると故障のリスクが高まります。

私は運よく大学まで野球を続けてこれましたが、それでも最後はケガに悩まされました。小学校、中学校の時、ケガで野球をやめてしまった友達も身近にいました。

子どもの体の成長を妨げるような指導は絶対にしてはいけません。指導者は各子どもたちの成長をしっかりと見極め、指導しなければなりません。

成長期の見極め

骨端線

成長期の子ども=発育発達はどう判断すればよいのか?
ひとつの目安が「骨端線」(成長線ともいわれます)の存在です。→超重要です。
骨端線とは骨の中央部と端の間にある軟骨組織のことを言います。ここでは詳しいことは割愛しますが、身長が伸びるのに必要な部分です。
身長が伸びる=骨端線が開いている→子どもの成長期だということです。
身長が止まる=骨端線が閉じる→成熟した大人

この骨端線が開いている状態はまだ身長が伸びる余地があります。開いている状態というのは人によって差があります。早い人では小学校高学年で閉じてしまったり、逆に大学生になってもまだ閉じていない人もいるそうです。ほとんどの人は中学生のうちに閉じるそうです。

高校生から筋力トレーニングを始めるチームが増えてきますが、その理由が「骨端線が閉じた後」だからです。先ほども言いましたが、選手によって骨端線による成長は違ってきます。まだ閉じ切っていない選手は筋力トレーニングや負荷をかけたトレーニングはなるべく控えたほうが良いでしょう。

こういったことから成長期である子どもには決して無理な練習はさせてはいけません。

体の成長を妨げることにつながり、更に故障しやすい身体だということを理解しましょう。

余談ですが、身長が止まると筋肉が付きやすくなります。

骨端線が開いている間は、骨を伸ばすことに成長ホルモンが使われていきます。

閉じた後に筋肉を増やすほうに使われていきます。たくさん食べても体重が増えないのはこうした理由があります。

小・中学生のヒジ痛は特に配慮しなければならない

投球動作において骨端線との関係性は大いにあります。(骨端線はヒザや肩、ひじなど各部位にあります。)

先ほど申し上げた「骨端線が開いている時期」=成長期はまだ未発達なので故障のリスクが高まります。

ヒジの故障で多いのは靱帯損傷(特に内側側副靱帯)。この可能性が高まる時期なのです。

速い球を投げる=全身の力を借りて最後は腕の振りの速さが大きく関係してきます。

腕の振りが速ければ速いほど、ヒジの靱帯にかかるストレスが大きくなり、痛める可能性が高まります。

このヒジの靱帯に関して、子供のころに痛めた所が大人になって再発するというのが恐いところであります

大人(大学生以上)になってから初めてヒジを痛めたという人はごくわずかで大半が子供のころにヒジを痛めた経験があるという調査結果があるそうです。

私も小学生の時に半年以上投げれないほどのヒジの故障をし、大学3回生の時にヒジを痛め1年以上投げれませんでした。こういう関係性があるんだと引退してから初めて知りました。

指導者に伝えたいこと

私自身小学校から野球を始め、大学4年まで続け引退しました。

私の夢はプロ野球選手になり、活躍することでした。大学最後までやり切りましたが、3年の全国大会で無理をしヒジを痛め長期離脱しました。

投げているときにヒジが「ブチッ」と鳴ったのを今でも覚えています。

そこから様々な治療とリハビリをしましたが、治るまでに一年以上かかり最後の大会を迎えました。大学はほとんどの選手が4年春の大会で引退します。(就活があるため)。

私はあきらめきれずチームに無理を言い、秋の大会までさせていただきました。

思うように投げることはできませんでしたが、納得いくまでやり続けました。

悔いがないと言えば噓になりますが、やり切ったことが今の人生に活きています。

当時私は自分の体を知ることを放棄し、ケガに対しての勉強をおろそかにしていた結果でした。当然と言えば当然です。

しっかりと勉強し知識を蓄えていなければケガしなかったかもしれません。私の野球人生でとても苦い経験でした。

私は野球をリタイヤしたと思っています。それでも最後までケガと向き合い投げることができたことは自分にとってとても良い経験です。

指導者の立場になった今は成長期の子どもたちには決して無理をさせないようにしています。

体力的にも精神的にもまだまだ未発達な時期に追い込んでしまうと取り返しのつかないことになります。

また野球がしたくてもできない体になったり、野球が嫌いになる可能性もあります。

私自身、身をもってケガの恐ろしさを知っています。

次世代を担う子供たちがケガで野球人生を終えてほしくありません。小学生は特に知識も乏しく、指導者の言ったことを鵜吞みにしてしまいます。

指導者が適切な知識を学び、成長に応じた育て方をしなければならないと思います。

私が指導させていただいている選手たちには必ずしつこいほど体の状態を確認しています。

成長期の子どもたちは違和感でさえ注意しなければなりません。理由は、骨格や筋力など未発達な時期であるため、高い出力が発揮されません。そのため無自覚や多少の違和感程度しか感じないケースも多くあるためです。痛みを感じた時には症状によっては深刻なことになっていることもあります。

私は現在31歳で小学校や中学時代から「それくらいで痛いと言うな!」「我慢しろ!」そして痛いと言うものなら今後試合に出れないという圧力もあった時代でした。

私のさらに上の世代はもっと厳しかったでしょう。

そういったことを経験している大人からすれば受け入れがたいことかもしれません。

しかし野球の未来と子どもの未来を考えれば、必ず指導者の成長は必須だと思います。

指導者にあたる大人たちには、日々学び続け知識をアップデートしてほしいと願います。

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