スクイズ~何がなんでも!もぎ取った得点は試合を決める~

戦略・戦術

野球の作戦において、スクイズほど「何がなんでも」という意思が見える作戦はないのではないでしょうか。

失敗すれば試合を潰しかねないリスクを背負う代わりに、成功すればチームに勢いを与え決勝点になることも多いです。

というのは、スクイズという作戦は僅差の展開でしか使用されないからです。

例えば、0-10等の大差で負けている時にスクイズをするなんてことはまずありません。

そしてリスクがある分あまり使用される作戦ではありませんが、成功した時の1点はホームランの1点よりも重みを有することがあります。

今回はそんなスクイズについて説明していきます。

スクイズとは

無死または一死でランナーが三塁にいる状態で、ランナーはピッチャーのモーションに合わせてスタートし、バッターはどんな球もバントで転がすといった作戦です。

スクイズのメリット

安直な説明になりますが、バント。つまり転がすことさえできれば得点の可能性が限りなく高くなるということ。つまり、ヒットや外野フライを打つ必要がないので打順に関係なく誰でも実行できることにメリットがあります。

スクイズのデメリット

上記の通り僅差の場面で無死または一死でランナーが三塁にいる場合、守備側がまず警戒するのがスクイズです。

そしてスクイズへの対応策が明確に決まっていることから失敗の可能性も高くなっています。

その対応策というのが「ウエスト」です。

ウエストとは→ストライクゾーンから大きく外した場所に投球しバントをさせない作戦

ウエストによりバッターが空振りしてしまった場合、スタートをきっている三塁ランナーは三本間で挟殺プレーにかかってしまいます。こうなってしまうとランナーが生き残る可能性は極めて低くなり、チャンスが一瞬にして潰れてしまいます。

その他のスクイズ

●セーフティースクイズ

通常のスクイズとの違いはランナーのスタートするタイミングです。

盗塁に近いスタートをするのが通常のスクイズですがセーフティースクイズは転がったことを確認してからスタートします。スタートが遅くなる分、バッターはしっかりとコースに転がす必要があります

分かりやすく説明するとセーフティーバントです。出塁することを目的としたセーフティーバントは一塁線もしくは三塁線を狙いますよね?

つまり三塁にランナーがいる場面でのセーフティーバントがセーフティースクイズとなります。

自分がセーフになることを前提としたバントなので、二死からの敢行も度々見られます。

・セーフティースクイズのメリット

「ウエスト」を無効化することができる。

・セーフティースクイズのデメリット

コースに転がさなければ三塁ランナーは生還できない。

※成功のポイントはランエンドヒットと同じです。別記事ランエンドヒット参照。

●ツーランスクイズ

ランナーが二、三塁にいる場合のみに敢行することができるスクイズ。

三塁ランナーと同時に二塁ランナーもスタートし、守備側が一塁に送球する隙をついて二塁ランナーも生還するという作戦。

近年では2018年夏の甲子園で金足農業高校がツーランスクイズでのサヨナラ勝ちを収めたのが記憶に新しいですね。

●偽装スクイズ

この作戦は2通りの使い方ができます。

①ランナーが一、三塁の場面で一塁ランナーの盗塁を助ける。

三塁ランナーが偽走し、バッターはスクイズ(バント)の構えをとり空振りすることで、相手バッテリーは三塁ランナーに意識をとられ一塁ランナーの盗塁が成功しやすくなります。

②ボールカウントを稼ぐ

上記①と同様にランナーとバッターが動けば、バッテリーはウエストする可能性が高くなります。

そうすることでボールカウントを稼ぐことができます。

余談ですが、満塁で3ボールまで稼ぐことができれば、あとは転がすだけですよね。

スクイズの成功率を上げよう

スクイズの天敵はウエストです。スクイズの成功率を上げるポイントは、いかにウエストさせないかです。

サインによるウエスト(最初からウエストすると決めている)は別として、瞬間の判断によるウエストはキャッチャー始動で行われます。なぜならピッチャーがスクイズに気づきウエストしようとしてもキャッチャーが動かなければ大きく外した場所に投げられないからです。

そのためキャッチャーは常にウエストの準備をしており、三塁ランナーの動きを観察し続けます。

つまり三塁ランナーのスタートが早いほどウエストされる可能性が高くなります

これを逆手にとることがウエストされないポイントです。

ピッチャーはモーションに入り腕を振り始めると、その後のコースを変えることはできません。

なので腕の振り始めまではスタートしないことを意識しましょう。

これだけでスクイズの成功率はグンと上がります。

※選抜決勝 東海大相模 対 明豊で同様スクイズがありました。

このプレイについても解説記事で触れていますので、お時間あれば読んでみてください。

試合から学ぶ!選抜決勝 東海大相模vs明豊 解説

まとめ

タイムリーヒットやホームランとは違い、スクイズはリスクを背負って行いますので、いわゆる捨て身の作戦とも言えます。たとえウエストされようともバッターは必ずバットに当てるという執念を備えていなければなりません。

スクイズは常套手段の1つですが、警戒がある中で、または緊迫した場面で「もぎ取った1点」というのは相手に1点以上のダメージを与えることができます。

打つだけが野球ではないということを象徴する作戦ですね。

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