シンキングベースボール~自ら考え実践する力~

タマペディア

ひと昔前とは違い、現代において過度な練習や叱咤激励は体罰や罵倒と捉えられることがあります。厳しい時代を乗り越えてきたお父さん、それ以上の世代の指導者の方々の中にはアプローチの仕方に困惑されている方も少なくはないと思います。

決められたハードな練習、部内ルール、指導者からの圧力、それらに耐えたからこそ強靭なメンタルを培うことができたという方は多いはずです。私もその中の一人です。

しかし、個人的な意見になってしまいますが今となって思う事は、考えて練習していればもっと良い選手になれたんじゃないか?考えて試合に臨めていればもっと良い結果が出せたんじゃないのか?ということです。言われるがままに練習をこなし、試合ではひたすらサインに徹する。

言い方は悪いですが、ただ従順なだけではプレイヤーの幅が狭くなります。

私がこのような考えに至ったのは冒頭の「時代」に影響されたわけでなく「考える力」が身に付いたからです。身に付いたからこそ自分の現役時代を振り返った時に、備えておきたかった力だと痛感します。今回は考える力の必要性、養い方を独自の見解で説明していこうと思います。

考える力の必要性

なぜ考えないといけないのか??

野球は頭のスポーツでもあり頭脳を駆使した心理戦が展開されることが多々あります。相手の上をいくためには思考でも相手を上回る必要があります。

試合で必要な思考力

試合での思考力というのは、ひとえに予測する力です。どれだけ多くの予測をたてることができるかで対応速度が大幅に変わります。人間というのは目で見て身体を動かすまでに必ずタイムラグが発生します。そのタイムラグを短くするのが予測です。

漠然とした説明になってしまいますが「こうなったらこう動こう」のパターンを頭の中で複数組み立てておくことが重要です。何も考えず事が起こってからでは身体の反応は遅くなります。

次にどういうことが起こりうるのか、あらゆる可能性を想定することが大切です。

例えば、本気で宝くじを当てたい人は1枚だけ購入することはないですよね?(偏見です)

1つの大当たりを目指して何枚も購入しますよね?感覚としてはこれと同じです。1つのプレイを複数の可能性から想定するということです。

●このような思考力を養うには

まずは自分のプレイを説明できるようになろう。

周りとのコミュニケーションを図ろう。

①に関して、考えて動く癖をつけるために自分が起こした行動に説明できるようにしましょう。

なぜそのような動き、選択をしたのか。なにも考えていなければ説明はできません。最初は言い訳のような後付けでも構いません。とにかく説明すること!!そしてその時のベストを模索しましょう。

②に関して、積極的に周りとコミュニケーションをとることで予測の幅を広げましょう。自分だけの考えでは自分の知っている範囲でしか予測は立てられません。周りの意見も取り入れることで多方面に予測を立てることができ、共有することができます。

●サインとは

試合では攻撃時も守備時もサインがありますよね?

なぜサインがあるか考えたことはありますか?サインとは手話のようなものです。してほしいことを大きな声で伝えると相手にばれてしまうので手を通して伝えているのです。

例えば、バントのサインが出たとしましょう。当然受けた側はバントを遂行するのですが、それが100点かと言われればそうでない場合もあります。バントシフトを敷いてきたらバスターしてもいいよ、バントシフトを確認するために1球見逃してもいいよ、その球がストライクなら空振りでもいいよ、ランナーは飛び出すなよ、バントシフトではなくバントしやすい球がきたらバントしてもいいよ。

たった1つのバントサインでも色々な思考があるのです。しかしこれだけ細かいことをサインとして出せませんよね?これを実現させるのが上記①②からくる共有です。

大げさな言い方ですが、正直これさえできれば監督は必要ないです。

練習で必要な思考力

練習というのはしんどいものです。ですがしんどいことをするのが練習ではありません。

練習には必ず目的が存在していないと意味がありません。しんどいという気持ちが本来の目的を追い越してはいけないのです。しかし目的を持たず、ただ言われたメニューをこなすだけでは体力を浪費するだけになってしまいます。※手段と目的参照

練習の中に目的を見出せる力をつけましょう。

●このような思考力を養うには

自分の動き(能力)を理解しよう。

「上手くなる」ために必要な練習だと理解しよう。

①に関して、自分自身を知らなくては練習に何を求めるのかが見えてきません。自分には何ができて何ができないのかを把握しましょう。練習とはできないことをできるようにする。できることの精度をあげる。の2パターンです。まずは自分がどちらのパターンなのかを考えましょう。

②に関して、選手というのは監督の指示に従わなければなりません。やりたくない練習でも拒否することはできません。上記の通り、できないことをできるようにするパターンは、言ってしまえば苦手なことをする練習です。しかしそれは自分がレベルアップするための練習だということを理解しましょう。やりたい練習でけやっていても選手としての幅は広がりません。厳しい、苦しい練習でも「上手くなるため」を常に念頭に置きましょう。

まとめ

選手ファーストという言葉がありますが、それは選手が好き勝手に動くのをよしとするのではなく、選手の考えを把握した上で選手自身に任せることだと思います。時代に沿った自主性等の考え方もあるでしょうが、任せられるレベルに引き上げる必要があります。

そのレベルに達してこそですが、練習も試合も選手始動で行えるようになることが本当のシンキングベースボールではないかなと思います。

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